werry-chanの日記.料理とエンジニアリング

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ますらば東大模試(3)解いてみた

だいぶ半月前の話になるが,大阪に帰省して奈良とか京都とか行って楽しんでました.
つくばに帰ってきたので仕事の続きをしないといけません.あと実験しないとそろそろ次の国際会議が〆切が見えてきて怖い.


暇つぶしに解いてるますらばの問題(3)です.


前回までに解いてきた(1)
ますらば東大模試(1)解いてみた - werry-chanの日記


問いの(2)です.
ますらば東大模試(2)解いてみた - werry-chanの日記




それでは問題文です.


n を正の整数とする.
(1) p を素数とする.このとき,n^p-n は p で割り切れることを示せ.
(2) n^2 + 1 は 4 で割ると 3 余る素因数を持たないことを示せ.



僕,(2)がむずすぎて解けませんでした.
以下に正解を載せますので注意です.































解答です.



まずは(1)です.

帰納法をしたいと思います.

変数がnとpの二つありますね.

これは周知の事かと思われますが,全ての素数pを示す式はありませんので,nを帰納法の変数として動かしてみましょう.


A. n=1で1^p-1=0で割り切れます.


B. kを正の整数として,k^p-kがpで割り切れると仮定する.


C. (k+1)^p-(k+1)について,pで割り切れるか検討する.

(k+1)^pという式の形をみて,一番はじめに思い浮かぶものは,二項定理ですね.二項定理で展開してみましょう.

(k+1)^p=\sum^p_{i=0} {}_pC_i k^i=\sum^{p-1}_{i=1} {}_pC_i k^i +(k^p+1)

すなわち,

(k+1)^p-(k+1)=\sum^{p-1}_{i=1} {}_pC_i k^i +(k^p+1)-(k+1)=\sum^{p-1}_{i=1} {}_pC_i k^i +(k^p-k)-(1+1)


ここでBより,第二項はpで割り切れる事を仮定している.また第三項は0である.

第1項については

{}_pC_i について考えると,{}_pC_i は組み合わせの式なので整数であり,素数pは必ず割り切れない事から{}_pC_i はpの倍数となる.

以上よりCもpで割り切れることがわかった.


ABCより,数学的帰納法より題意は示された.




(2)の解答です.

これ激ムズですね.

正直に言いましょう.解けませんでした.

悔しいですが,公式の模範解答を載せます.

(2) p を 4 で割ると 3 余る素数とする。このとき,n^2 + 1 が p を素因数に持つことは,n^2 + 1 が p で割り切れることと同値である。

(i) n が p で割り切れるとき

n^2 + 1 ≡1 より n + 1 は p の倍数ではない。

(ii) n が p で割り切れないとき明らかに p ≧ 2 である。

x の多項式 x^p − x を x + 1 で割った余りは高々一次式なので ax + b とおけて,その商を Q (x) とすると

x^p − x = (x^2 + 1)Q (x) + ax + b   (2)

x^2 + 1 の各項の係数はすべて であるから,

Q (x) の係数はすべて整数である。

この式に x = i(虚数単位) を代入すると

i^p −i = (i^2 + 1)Q (i) + ai + b

p は 4 で割ると 3 余る素数であるから,各辺を整理すると

−2i = ai + b

両辺の実部と虚部をそれぞれ比較して,a = −2, b = 0 を得る。

したがって,n^p − n = (n^2 + 1)Q (n) − 2n が成り立つ。

(1) より n^p − n は p の倍数である。

また,n は p の倍数でないので 2nも p の倍数でない。

したがって (n^2 + 1)Q (n) は p の倍数でなく,多項式

Q (n) が整数係数であることに注意すると n^2 + 1 も p の倍数ではない。

(i)(ii) より,n^2 + 1 は 4 で割ると 3 余る素数 p で割り切れない。

すなわち,n^2 + 1 はそのような素数を素因数に持たない。

(証明終)



別解や間違ってるなどありましたらコメントくださいな.

むずかったなぁ(2)...解けんかったの悔しいわ.