バレンタインかなぁ~やっぱりww
一応,工学徒だけど社交的な性格だし、よく服装とかオシャレって言われてるw
ところでワイは生物系の女子二人からチョコもらったけどお前らは?
ちなみに両方手作り(聞いてないw)
オレ、これでも工学徒ですよ?
イキリト構文で急にマウントをとるウェリーちゃんです.
猿なのでとりあえずマウントとることを生き甲斐にしてます.
試験期間終わって,ずっと鬱陶しいと思ってた髪を美容院で切ったところ,バレンタインなのでチョコレートをもらいました.
そのチョコレートを車に置きっぱにしてたら,彼女に見つかって,何かめっちゃ誰か知らない女にもらったのでは?とか疑われてます.
それではタイトルの
「筑波山にて奇怪で不穏な地蔵達」
のお話をしましょうか.
きちんとオチがありますので,最後まで読んでもらえると幸いです.
今年の年明けのことです.
地元大阪からつくばに帰ってきた僕は,彼女と一緒に初詣に行こうという話になった.
「じゃあ初詣行くか」
となり,近場の筑波山神社に初詣に行くことになった.
筑波山に車で向かう途中,山道の途上にみかんが路上無人販売しているのが見えた.
彼女がみかん好きということもあって,帰りに買って行こう,という話を何気なくしてた.
駐車場に到着した.
駐車場の場所は,筑波山神社の赤い大鳥居に近い坂の上にある駐車場だ.
駐車場で500円を前払いして,広いスペースの余りまくってる駐車場へ適当に停めた.
駐車場のトイレのすぐ近くに,
「筑波山神社近道」
と書いてある案内板があった.
その案内板に従って,ちょっとした雑木林?筑波山なので森?を通る近道に入った.
近道は舗装はされておらず,土がむき出しの道だった.
その道はたかだか20-30メートル程度の短い道で,すぐにまた舗装された参拝道に戻るものだった.
しかし,その近道には狭いお墓があり,少し不気味ではあった.
そのお墓で,僕と彼女が目の当たりにした光景がこちらの写真である.
首なし地蔵である.
そこはかとなく嫌な感じがした.
特に仏教信仰があるといったことはないのだが,かなり大多数の人は首なし地蔵を見て気分が良くなるということはないだろう.
一体全体どういうことだろうか.
誰がこんな酷いことをしたのだろうか.
悪戯にしても悪質だ.
このような話を彼女と共にしながら,ふと周りを見渡すと,
そこかしこ地蔵・仏像の首は存在しなかった.
あるいは胴から真っ二つに割られていたのだ.
なんということだ.
ここまで徹底して地蔵の首を捥ぐなんて,
よっぽどの執念のある何者かが行ったのだろう.
そこはかとなく呪いめいた雰囲気を感じ,背筋に悪寒が走る様な気持ちになった.
狂気の沙汰としか思えない.
ふと,地蔵の首が捥がれているが,首はどこかに落ちていないか?と思い,地面を見渡した.
地面には落ち葉がたくさん積もってはいたが,地蔵の首の様なものはなかった.
落ち葉が積もってるとはいえ,地蔵の首が埋まるほどのものでもない.
ましてやたった1つの地蔵の首を探しているのではない.
そこかしこで首の捥がれている十数体の地蔵の首を探しているのだ.
その首が1つとして見つからない,ということは
何者かが十数体の地蔵の首を持ち去った
ということが思い浮かんだ.
大変に気持ちが悪くなった.
地蔵は首がないが,墓自体は全くもって傷つけられていないと言うことも奇妙で気持ち悪さを煽った.
しかし当初の目的である初詣に行くということもあり,僕と彼女はこの首なし地蔵のいた狭い墓場を去った.
近道を抜け,参拝道に入り,お土産屋さんを見ながら筑波山神社本殿に向かった.
本殿の大きな門のうち一つが修理中であるということを除けば,初詣の雰囲気を残した果物飴やカステラの路店が出ている,ごく普通の筑波山神社を参拝した.
初詣期間から外れているが,いつもより若干だけ参拝客が多く賑やかな雰囲気があったという印象があった.
参拝が終わり,荘厳な雰囲気のお焚き上げを横目に参拝道を引き返し始めた.
初詣特需が終わったからか,路店の怖そうな雰囲気のお兄さん達は暇そうに「売れてる?」「全然.今日まだ5000円くらい.」みたいに世間話をしていた.
そこに彼女が
「果物飴買う!!めっちゃ果物飴好き!!」
言うて,突然果物飴を路店で買い,怖そうなお兄さん達がニコニコしてくれた.
そんなこんなで,参拝道を引き返そうと思っていた.
しかし,毎回同じ道で帰ってもつまらないと言うことで,その日は参拝道を外れ,山がちな坂道に住宅がポツポツと並ぶ道で帰り始めた.
果物飴を舐める彼女と共に,過疎の進んだ廃屋の混じる知らない道を歩いていた.
大体の方向は合っているから駐車場には帰れるはずだ.
電波も通ってるからmapで帰れる.
そう思いながら,木造の見たことのないほど古い造りの廃屋を少し探検したりしながら坂道を下って行った.
道は次第に住宅が減って行き,最後は山道の様になっていった.
山道の途中,湧き水を利用した井戸が山道脇に現れた.
湧き水を使った自然の井戸の側にあった看板から分かったが,名のある有名な井戸であったようだ.
その井戸の奥には何やら小さな道が続いており,興味を持った僕は井戸の奥に足を踏み入れた.
すると,井戸の奥には小さな墓と
首なし地蔵がそこにいた.
ギョッとした.
ここにも首なし地蔵か.
しかも今回も地蔵の首は捥がれているが,墓は傷つけられた様子はない.
同じ筑波山とはいえ,ここはさっきの駐車場から5-6キロは離れている.
悪戯にしては徹底し過ぎだ.
気持ち悪い.呪いや狂気を感じる.
そう思い,その井戸を離れ,山道を再び進み始めるも束の間,
十メートルほど先に墓場が現れた.
またもこの墓場の地蔵も
首なし地蔵だった.
なぜだ.どうしてだ.気持ち悪い.
気が狂ったオカルト狂が行なった奇行?
範囲が広すぎる.集団で行なった?どうしてこんなにも徹底してる?
彼女と共に話合いながら,結論は出ず,スマホで調べてもそれらしき話はヒットしない.
不安や疑問や恐怖が募る中,下り山道を抜け,駐車場に繋がる登り山道に合流した.
登り山道を歩きながら,
「行きに見た無人路上販売のみかん買えるやん!!」
と彼女と共にみかんの無人路上販売まで歩いて登った.
みかんの無人路上販売に到着した.
試食はみかんとキンカンが食べ放題で,2個づつ試食した.
無人路上販売でもセキュリティー皆無なのに,試食も食べ放題って売れるのか?と思ったが.
試食しているうちに,無人路上販売路店に軽トラックが停まった.
軽トラックから降りてきたおじいさんは無人路上販売路店の主人だった.
店の中に置いてあるラジオをつけて,何やら店の整理を始めた.
僕らはミカンとキンカンを食べていたら,おじさんがバームクーヘン(お菓子)をくれた.
めっちゃ美味しかった.おじさん好きってなった.
ふと,ミカン買うついでにおじさんに地蔵のこと聞いてみたら,地元の人やし何か知ってるかも.
と思い,
僕「おっちゃん.ミカン一袋ちょうだい.」
おじさん「あいよ.バームクーヘン美味しかったか?」
僕「美味しかったわ.ありがとうなおっちゃん.」
僕「おっちゃん聞きたいことあるんやけど,」
おじさん「どーした?」
僕「今日,筑波山神社とかその辺散歩してたんですよね.なんかそこら中のお地蔵様・お釈迦様・観音様の首がなかったり,真っ二つにされてるんですけど,何かの悪戯ですかね?」
おじさん「廃仏毀釈ってのは,江戸時代の終わりに明治政府が尊皇させるために紛らわしい仏教を壊して回ったって話だな.」
と言う話を聞き,腑に落ちました.
広範囲に渡る徹底された首なし地蔵.
探しても発見されない首.
仏や地蔵は破壊されているが,墓は破壊されていない謎.
廃仏毀釈は仏教に対する国家レベルの迫害であり,ならば広範囲の首なし地蔵は可能だ.
また,首を現場に残しておけば直されてしまう可能性があり,それを持ち去ることも国家レベルの行いと考えれば可能だ.
さらに神道は祖先を信仰対象としている部分も存在し,また仏教とはまた異なるからか,墓自体が壊されていなかったことも頷ける.
政府は当時江戸近くから仏教信仰を絶とうとしていたと考えれば,関東随一の歴史ある有名な神社である筑波山神社が目をつけられるのは必至だ.
ましてや筑波山神社は建立時期が古く,まさに仏教と神道が混同された時期の神社である.
そのことは神社の社の形が通常の神社と異なり,お寺のような雰囲気をしていることからもわかるだろう.
新明治政府からすれば,廃仏毀釈の筆頭になるだろう.
その後,わざわざ百何十年も首なし地蔵を放置しているのは歴史があるからかと思い,
駐車場の近くにある観光案内所に行き,
「筑波山神社周辺の地蔵の首が全てないのですが.」
と問い合わせてみると,
職員「え!!どこですか!!悪戯かな?」
と言い,観光案内所の職員達が騒然としてしまいました.
きちんと路店のおじさんに教えてもらった廃仏毀釈の話をしたところ,納得してもらえました.
歴史があるからと首なし地蔵をわざわざ残していた訳ではなかったようです.
しかし,まぁ直さなかったおかげで,このような歴史深い面白い体験させてもらったので個人的にはOKかな?
ホラーチックに導入して話てきましたが,いかがでしたか?
もし興味があれば筑波山神社に参拝した時や,関東の神社に伺った時は地蔵などを見てみると,もしかすると廃仏毀釈の名残が残ってるかもしれませんね.
それでは長くなりましたが,これにて